アヴィシャイ・コーエン

Biography

世界の音楽シーンで大注目を集め続けるイスラエルジャズを世界に知らしめた鬼才ベース奏者 / 作曲家。世界を舞台にジャズ、クラシック、そして自身のルーツである民族音楽まで取り入れた多彩かつメロディックな演奏でシームレスな活動をおこなっている

1970年イスラエル・キブツ生まれ。スペイン、ギリシャ、ポーランドにルーツを持つ多文化な一家に育つ。9歳でピアノを弾き始め、14歳でアメリカに引っ越した際にエレクトリックベースを始める。その後、イスラエルに戻り、音楽学校で学び、軍のバンドで活動した後、22歳で再びアメリカ・ニューヨークへ。

ニューヨークに移り住んだ当初はストリートで演奏しながら、工事現場で働き糊口をしのぎ、ニュースクール大学にてブラッド・メルドー(p)やダニーロ・ペレズ(p)らと学び、大きな影響を受ける。

1997年、アヴィシャイのデモテープを聴いたチック・コリアからの電話が彼の人生を変えた。そのフレッシュな演奏に魅了されたチックは、アヴィシャイを“Chick Corea’s New Trio”、そして”Origin”に誘う。その後、アヴィシャイはチックと6年間活動をともにし、音楽家として多くのことを学ぶ。

最初の4枚のアルバムはチックのレーベル<Stretch>からリリース。イスラエル、メキシコ、キューバ、アルゼンチンなど様々なバックグランドを持った若手ミュージシャンを起用し、音楽を通じての融合・コミュニケーションを試みる。

2002年には自身のレーベルを設立し、自身の音楽を追究するとともに、さらに若い才能の発掘に励み、ヨーロッパ、アメリカを初めとしてワールドワイドで演奏活躍を続ける。自身のバンドではシャイ・マエストロ、ニタイ・ハーシュコヴィッツら若手を起用し、彼らの背中もプッシュし、世界の舞台へ導いてきた。

アメリカ、ヨーロッパで大きな話題を呼び、その後イスラエルに戻ったアヴィシャイは、さらに自身の音楽に多様な音楽文化を取り入れ、活動の幅を広げる。さらにベースの世界を深く探究するとともに、多言語で歌うようになり(ヘブライ語、英語、スペイン語、ラテン語)、ジャンルを超えてオーディエンスの心をつかんでいく。

2016年にはマルメ交響楽団やルクセンブルグ交響楽団、BBCコンサートオーケストラなど世界の25のオーケストラと共演。 クラシックとの融合も試みていく。また、フランス映画『セラヴィ』の音楽も手がけるとともにアヴィシャイ・コーエン音楽賞もつくり、ジャンルを超えたミュージシャンを育成・支援。

2020年には50歳の記念として50ヶ国で50のコンサートをおこなう予定だったが、これは残念ながらコロナのために延期となった。

2023年には日本を代表するジャズピアニスト小曽根真と組んだ「the Amity Duet」、そしてアブラハム・ロドリゲスJrとのバンダプロジェクト「Iroko」(同名アルバムが2023年5月にリリース)と2つの新プロジェクトのワールドツアーがスタート、世界各国で熱狂的に迎えられた。

Projects

アミティ・デュエット with 小曽根 真

Photo by Makoto Ebi.

現代音楽シーンを率いるアヴィシャイ・コーエンと小曽根 真による夢のコラボレーション 「Amity Duet」が誕生。Amityとは友情、平和、ハーモニーそして相互理解をあらわす言葉。日本とイスラエルが修好70年を迎えた今、夢のduetが世界へむけて始動します。巨匠チック・コリアとの交流も深く、今日のジャズ界で名実ともに卓越した存在としてその名を馳せつつも、果てなき創造を続けるふたりのレジェンドがインティメートなアコースティック・パフォーマンスで至高の音楽を届けていきます。


アヴィシャイ・コーエン・トリオ

Photo by Patrick Van Vlerken

アヴィシャイ・コーエン (Bass)
ガイ・モスコヴィッチ (Piano)
ロニ・カスピ (Drums)

25年以上に渡り世界の舞台で称賛を受け続けるベーシスト、シンガー、そしてコンポーザーであるアヴィシャイ・コーエンは、現代ジャズにおける重鎮の一人として、ジャズにとどまらず各界の最高のレジェンドたちとも肩を並べる存在だ。

アヴィシャイの魅力的なライヴ・パフォーマンス、独特のサウンド、そして音楽的なステートメントは、世界各地でも情熱的なファンを生み続け、ボーダレスなコンポーザーそして音楽的なインフルエンサーとして注目を集め続けている。

新たなトリオでは、最新のアルバム『Shifting Sands』(2022年5月)からの新曲、そして彼の膨大な過去作品からの人気曲・レパートリーなどを演奏する。

『Shifting Sands』は「アヴィシャイの音楽が持つ特別な魔法、フレッシュで広がりのあるメロディーライン、多様で洗練されたリズム、そして彼しか出せない音楽的エレガンスを聞かせてくれる」と高い評価を得ている一作だ。

アヴィシャイは過去にも優れたプロモーターとして、才能あふれる若き新進ミュージシャンを発掘してきたが、今回その突出した才能を見込まれてトリオに抜擢されたのは、ピアニストのガイ・モスコヴィッチとイスラエルが誇る若き新星ドラマー、ロニ・カスピである。

ガイは数年来アヴィシャイが注目していた逸材であり、26歳にして既に彼の世代で最も求められるピアニスト、コンポーザーとしてイスラエルとニューヨークで活躍している。

2000年7月イスラエル生まれのロニは、米バークリー音楽院を卒業したばかり。2020年はじめのロックダウン中にアヴィシャイと出会い、フェイスブック上でオンライン共演を果たした。この遠く隔たれた交流が強い音楽的つながりとなるのに時間はかからず、同年9月にはバンドメンバーとしてアヴィシャイのツアーに招かれることとなった。


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